アルコール依存症の期間工ブログ【1】 ―「ほろよい」で「へべれけ」になるおれがなぜ?―

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泥酔

メインの話は後にして、意味がわかるとエロくない話でもしましょうか。


「うーん、好きといえば好きだけど、そんな慣れてないし、まだちょっと苦手でもあるかな。普段と違う感じになるとこ見られるの恥ずかしいし……」

って目の前の可愛い女の子に言われたら、なんかドキっとしますよね。
よく意味はわかんないけど、ちょっとなんかワクワクしますよね。

まあこのセリフを言ってるのは、おれなんですけどね。
いちおう言うと、丸メガネがよく似合う三十代の男性会社員(無精ひげ)です。

あとセリフの意味は別にエロいことでもなんでもなくて、アルコールのことです。
お酒に弱いって話です。おれが


そういえば、上のセリフを書いていて思い出したんですけど、私の友人でサラリーマン兼哲学者ATSUSHIという男がいるのですが、電車でこんな現場に遭遇したそうです。

電車で座っていたら、目の前に立ってるいたってフツーの女子高生二人組がこんな話をしてたんですって。

『――ヒロキ先輩のほうが大きくない??』
「えー、ぜったいスズキ先輩のほうが大きいよー」
『スズキ先輩大きいけど、なんか先のほうがくいってちょっと上がってるじゃん。あれあんま好きじゃない』
「たしかに笑」
『ヒロキ先輩のほうが全然かっこいいし形いいし大きいよ』
「でもたしかにヒロキ先輩のほうが形がいいよね」
『ふたり並べて比べてみたいね』
「笑」

一体なんの話をしているんだろう。
いや、まさか。

ATSUSHIのピュアな心は、若者の軽薄で猥雑に乱れた性事情に、けしからんという怒りを覚えたそうです。
そして目をつぶり無関心を装いながら、一言一句聞き逃すまいと聴覚に集中したそうです。

最後までしっかりと聞いたら、これ全部「目」の話だったそうです。
ATSUSHIは、先ほどとは違う怒りを覚えたそうです。

「いやー僕はびっくりしました」
ATSUSHIからの臨場感あふれるLINEの終わりにはそう書かれていました。

なぜかその後「もうすぐ秋ですね。ご自愛ください。」との謎のメッセージがきて、夏の終わりの風に吹かれる男の背中の哀愁を感じましたね。

以上すべてが余談でした。

アルコールパッチテストで弱者と認定された男

大酒飲みだった母方の祖父の遺伝子だろうか。
おれは酒が好きだ。

アルデヒド脱水素酵素2不活性型モンゴロイドだった父方の祖父の遺伝子のせいだろうか。
おれの体は酒に弱い。

アルデヒド脱水素酵素2不活性型とは、要するに「飲めない体質」ということだ。

最初から要せばよかった。


とにかくおれは酒に弱い。
サントリーの「ほろよい」一缶で、思いっきり泥酔できる。
おれにとっては、ほろよいというよりあれは「へべれけ」だ。
それくらい酒に弱い。

かつて、アルコールパッチテストで、パッチを付けた瞬間に弱者と認定された。
瞬殺だった。
しかも肌がかぶれた。

それくらい酒に弱い。しかも肌も弱い。
幼児にも安心の弱酸性シャンプー「メリット」でかぶれたことさえある。

少年時代は色々なアトピー的なやつが全身にできて、風呂上がりにいつも軟膏を塗られていた。
顔にいたっては肌の面積より白い軟膏部分が多くて、ほとんど芸者状態になっていた。
綿の白ブリーフを穿いたキュートな芸者だ。てんつくてん。

話がずれた。
いまはブリーフの話をするときじゃなかった。
アルコールの話だ。
アルコール依存に陥ったときの話だ。

飛べないはずのペンギンが空を飛ぶ

そう、体質的に酒を飲めないはずのおれが、期間工時代になぜかアルコール依存症になったのだ。

おれ自身がびっくりだよ。
ペンギンが空を飛んだに近い衝撃。
想像するとめっちゃかわいい!
でもアルコール依存症の期間工はかわいくない全然!!

飛べペンギン

ペンギンを例に出したのは、ただペンギンが好きだから。クールミントガムの巻紙も取っておいちゃう。
のちにデスクの中で、ぐっしゃぐしゃになったペンギンの集団となって発見されて、泣く泣く捨てちゃうけど。

酒による現実逃避の欲求が体質を凌駕したのか、とにかく下戸でも飲み続ければ、体制がついてそれなりに強くなれるし、アルコール依存にはなれるのである。

小生が身をもって証明しました。


アルコール依存をすでに自覚していた頃、ふと数えてみたら、ほぼ1年半くらい1日も休まずアルコールを摂取していた。
休肝日ゼロ。
労働基準へ週3休みを提唱しているおれにしては、いつにない勤勉さだ。

毎晩にわたり酒を飲み、土日は隙あらば朝からくいっ。ベッドから出た瞬間にくいっ。
文字にして改めて実感したけど、これはダメ人間だ。

余談だが、当時、知人の女性に「おれアル中になってしまった」とLINEを送ったら、
「それアル中じゃなくて、アルコール依存症じゃない。あとわたし今の彼と結婚する予感がする」と返事が来た。

“え、アル中とアルコール依存症って違うの?” という素朴な疑問と 、
“おれの話に興味ゼロだな” という感想が頭に渦巻きながら、
「おめでとう」と打った直後に、慢性アルコール中毒、通称・アル中と、アルコール依存症の違いをネットで調べてみた。

なんかそのときのイメージ的な記憶だが、「アル中>>>アルコール依存症」という感じで、なんていうか肉体がアルコールに侵されまくってマイナス要因になりすぎて、すごいのだと妄想みたり、体や手がブルブル震えたりの症状がでて、普通の生活を到底送れなくなった状態を「アル中」と呼ぶ認識だったと記憶している。

もちろん全部うろ覚えだ。事実と違っていても、私はまったく不思議じゃない。

とにかく、そうするとたしかにおれは、まだアルコール依存症だ。そのときは少し安心した。
ついでに言うと、LINEの子は次の次の次くらいの彼氏と結婚した。


で、アルコールにハマる肝心のきっかけなのだが、なんとそのきっかけが思い出せない。

あまり自覚はなかったけど、期間工になって、今までなかったストレスを感じるようになっていたのだろう。
うーん、でもやっぱり本音としては、デスクワークをしている今と大して変わっていないように思える。

今もそれなりのストレスを抱えてはいるけど、だからといって毎日酒を欲しているわけではない。
週に1回飲むか飲まないかだ。
飲んでもお猪口で一杯だけだから、もうこれは口に含む含まないのレベルだ。

強いて言えば、今の仕事はそこそこ頭を使っているから、例えば酒を飲んで絶不調だと、それでもう詰む
飲まなくてもよく詰んでる。

日々予想外のことだらけだし、ほとんどアドリブで対処していくような仕事だ。
対して自動車工場時代は体が作業を覚えちゃえば、あとは反射で半自動的に体が正確に動くから、脳なんて基本的に1ミリも使ってないし、予想外のことが起こることもほとんどない。視覚的にも8時間同じ光景が続く。
だから、前日深酒しても特段パフォーマンスが変わることがない。

やー、なんか違うな。
大体今の仕事にパフォーマンス云々を考える意識の高さがあるかって言われたらそれは微妙だし、それもこれも含めて期間工時代と仕事に対する想いは大差ないしな。

あまり表に出さないけど、責任感がそこそこあるのは当時からだし。
むしろそれだけが動機で動いているのも当時からだし。


そんな感じで、はっきりした理由は思い出せないけど、連続飲酒スタートの初日に酒を買った日や場所は覚えている。

2勤(遅番)終わりの23時45分、工場近くの国道沿いのミニストップだ。
そのコンビニで、ふと500mlの缶ビールをカゴにいれた。
本当に”ふと”いれたんだと思う。

ああ、あれがすべての始まりだった。

<つづく>

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